VOL.02 — 2025年秋冬特別号

ラゴス文化ウィーク特集:ファッション、映画、アート、アニメが交差する西アフリカの創造エコシステム

発行日: 2025年11月~2026年3月 | 日本アフリカエンタメ事業協議会
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Lagos Fashion Week

2025年10月29日〜11月2日 開催

西アフリカ最大級のファッションイベント『Lagos Fashion Week』が、10月29日〜11月2日に開催されました。最終日には筆者(榎原)が会場に訪れましたが、ナイジェリアの伝統的な素材や模様と先鋭的デザインが共鳴し合っていました。

☆Lagos Fashion Weekとは

ナイジェリアの首都ラゴスで開催される、今年で15回目を迎えたファッションイベント。2011年に始まり、サステナブルな生産やアフリカファッションの国際発信を掲げてきた。近年は「循環型ファッション」「ローカル×グローバル共創」がテーマとして強調され、欧州のブランド・メディアも多数参加。ファッションを超えて、素材、雇用、文化表現のすべてを結びつける"社会的プラットフォーム"へと進化している。

開催期間中は、様々な服のポップアップストアとステージイベント・ランウェイが各所で開かれていました。

Federal Palace Hotelで開かれた最終イベントでは、刑事2人による取調室にモデルが1人ずつ入り最も「自分に合う服を知りすぎている罪」を犯したのは誰かを観客も参加型で評価するスタイル。とても斬新でした(笑)

また、ベナンなど近隣の国からのデザイナー、モデル等、服飾の関係者が多く、参加者の皆さん自身も洗練されたファッション。

日本の着物から襟などのデザインを取り入れた服のデザイン経験のあるデザイナーにも数名出会い、西アフリカのファッション創造領域には、様々な文化をごく自然に融合する包容力があるなと感じました。

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AFRIFF(Africa International Film Festival)

2025年11月 開催

ナイジェリア・ラゴスで毎年開催されるアフリカ最大級の映画祭「AFRIFF(Africa International Film Festival)」。2025年も1週間にわたって世界中の映画関係者が集まり、上映・トーク・ワークショップが繰り広げられました。

AFRIFFは2010年に始まり、ハリウッドや欧州の映画祭とは異なり、アフリカから世界へ語ることをテーマに、ストリーミング時代の制作・配信・教育支援なども議論される場です。ナイジェリア映画界(ノリウッド)は年間2,000〜3,000本を制作し、数十億ドル規模の市場としてアフリカ内外で急拡大しています。AFRIFFはその創造の交差点として、各国のクリエイターや投資家を引き寄せました。

私が参加したのは、日本大使館主催の日本映画上映イベントが行われた Twinwater Entertainment Center。平日の日中であったこと、また他会場の上映作がLandmarkへ急遽移動していたことで抱き合わせ来場が難しく、集客は苦戦しているように見えました。それでも、現場には日本やアニメイベント常連の濃いファンが集まり、アニメや日本自体について密に対話ができたことは大きな収穫でした。

一方で、AFRIFF公式会場である Cube 65(Victoria Island)や Landmark で行われたオープニングナイトやフィルム&コンテンツマーケットは盛況で、レッドカーペットには監督・俳優・投資家が集い、上映後には活発なQ&Aや商談が続いたと報じられています。

前回のニュースレターでもご紹介があった、以前開催されたDamon SlayerやChainsaw Manなどアニメ映画の上映イベントでは、満席以上のファンが訪れていました。このことは、すでに英語圏で広く視聴されている「王道アニメ」こそが現時点で最も強く観客を惹きつける日本コンテンツであることを示唆しているかもしれません。逆に言えば、日本で名作と呼ばれる実写映画の英語字幕の質と量を上げて丁寧に届けること、あるいは作品そのものではなく撮影技術や制作プロセスといった「映画づくりの知」を切り口に紹介することが、映画祭という場との親和性を高めるのかもしれません。

アフリカ映画の勢いと、その勢いの振れ先を見極める必要性を強く感じた場でした。

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ART X Lagos

2025年11月8日 開催

「ART X Lagos」は、西アフリカ最大級の現代アートフェアとして知られ、ナイジェリア国内外のギャラリーやアーティストが参加する一大イベントです。

10周年を迎えた今年は、これまでの歩みを象徴する展示やインスタレーション、ムービーが会場に集まり、アフリカのアートシーンの現在を体感できる賑わい溢れる展覧会になっていました。

屋内エリアに入ると、天井の高い展示空間に柔らかな照明が広がり、色彩豊かな作品が並んでいて、美術館の中のようでした。

刺繍で描かれた布作品や、新聞の印刷に使うアルミニウムのCTPプレートを利用した立体作品、淡いパステルカラーの抽象画とキュビズムを合わせた絵画(私のお気に入りになりました)など、素材やタッチの違いも様々で、非常に心地よくバリエーション豊かな空間でした。

子どもが自由に参加できる「KIDS CORNER」もあり、貧困層の多い地域の小学校で美術プログラムを届けている団体が担当していました。廃棄物となるはずのもの(靴底)に伝統的象形文字モチーフのデザインを掘り、来場者が版画を楽しめるコーナー。

アートというもののメッセージ性を強く感じる場所でした。

アート作品を楽しむ余裕のある層が多かった印象も受けたものの、ナイジェリアのアート文化の受け皿の広さと厚みを感じました。

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GTCO Fashion Weekend

2025年11月9日 開催

ナイジェリア・ラゴスで毎年11月に開催される「GTCO Fashion Weekend」は、アフリカ最大級のファッションイベントです。

アフリカ各地のデザイナーやブランドが集まり、ランウェイショーや多数のポップアップストア、服飾やモデリングにまつわるレクチャーを展開するマスタークラスなどを通じて、ファッションをビジネスとしても文化としても発信しています。会場は、銀行GTCOが手がける広い特設エリア。入場は無料で、誰でも気軽に楽しめる開かれたファッションウィークです。

会場に到着すると、色とりどりの外壁と、真っ青な空の下でくつろぐ人々。

フードエリアでは、ラゴス内のおしゃれなドリンク・フードショップが出店しており、お腹を空かせずに1日中滞在が可能でありがたいです。

屋内に入ると、天井の高いテントの中に、地元ブランドのブースがずらりと並んでいました。ヘアウィッグ、スキンケア、服飾雑貨、アクセサリー……ナイジェリアではサンダル派の人が多い印象だった中、靴下屋さんも出店していて目を引きました。

中でも印象的だったのは、モロッコから輸入している化粧品の肌診断マシンのブース。自分の肌の状態を数値で見るという体験型展示で、テック・美容分野の共創の可能性を感じました。筆者も診断を体験、乾燥肌と判定されました(笑)

2日目の夜のランウェイに参加すると、スタイリッシュにフロアが設計されていて、低音の効いたアフロビートが会場全体を最高潮の表現の場に仕立てていました。

モデルの皆さんはすらっと背が高く圧倒的なオーラを放っていて、観客自身のファッションも個性豊か。ラゴスを始め、西アフリカによく見られる、私の大好きなアフリカンプリントや伝統的なファッションパーツとモダンなデザインの融合も多く見られ、ラゴスの人たちがどうしてこれほど思い思いの服を着こなし、そして似合っているのかのヒントが凝集されていました。

GTCO Fashion Weekendでは、「観る」側の人たちも好きな格好で訪れること自体に意味があるように見えました。SNSで写真を共有し、好きなブランドにコメントを送る、そんな小さなアクションの積み重ねが、アフリカのファッションシーンを動かしているのかもしれません。

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Super Japan

2025年11月15日 開催

今年のLagos International Trade Fairでは、2日間限定で「Super Japan」という日系企業の特設広場が設置されました。会場には、各種の日本メーカーのブースのみならず、日本のアニメ、音楽、ゲーム、アイドル文化を愛する人たちが楽しめるコンテンツが満載でした。

私が参加した2日目は、京都から来たアイドルが登場してパフォーマンスを披露し、日本のライブのようにコールを巻き込みながら大盛り上がり。舞台というのは、言語や国境を越えて、共有できる楽しさがあるのだと改めて実感しました。

コスプレショーの審査中は日本のアニソンやJ-Popが流れる時間があり、来場者がもれなく踊りだし、もはやダンスがメインのような空間になっていました。踊る空気の一体感は見事なもので、アフリカとダンスは切っても切り離せないなと再確認しました。

さらに、会場奥にはカラオケやゲームコーナーも設置され、推しへの情熱があふれており、単なる展示ではなく参加型の文化交流が可能になっていました。

Super Japanは、エンタメを媒介にした国際交流の可能性を強く感じるイベントでした。

アニメは日本のポップカルチャー交流において目立ちますが、日本特有のアイドルのライブパフォーマンス自体がアフリカ各国でも受け入れられる可能性、そしてよろず音楽や食をそことセットにして届けていける可能性が高いというのは、

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呪術廻戦〜渋谷事変・死滅回游〜 Watching Party

2025年12月5日 開催

『鬼滅の刃〜無限城編〜』と異なり、比較的、時間通りに上映開始した『呪術廻戦〜渋谷事変・死滅回游』。

ナイジェリア内の6都市で開催され、前後からコスプレ・オタクのインフルエンサーを中心にSNSも盛り上がりを見せていました。

筆者は当日、ラゴスでの上映会に参加しました。

クイズやコスプレ等のイベントを、上映後に持ってきたことで、Watching Partyとしての運営もスムーズになっていました。

IMAXのシアターも2つが満席に近く、戦闘シーンでは歓声があがり、ナイジェリアらしくリアクション豊かな観劇になりました。

気になったのは、景品で配られたボールペンが呪術廻戦の漫画のコマを柄にしていて、その吹き出しが全て、中国語だったこと。

ナイジェリアのオタクのみなさんは、富裕層から精一杯データに課金してコンテンツを楽しんでいる必死な学生まで、幅広くいます。

少しでも、「日本の、日本のアニメコンテンツ」を買いたいという流れになると良いなと思いつつ、少しでも安く推しのいるグッズを持てた方がありがたい人たちがいることにも納得しつつ、やはり「高見えするファッション」を是とするナイジェリアこそ転換を起こせるのではないかという期待が残ります。

日本人が続々とヨルバ衣装やアンカラ(ナイジェリア布)の服を着て来場し、ラゴスの屈指のコスプレーヤーが腕を振るう、とても面白い文化交換が見られた一晩でした。

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Taste of Japan

2026年3月7日 開催

3月7日、ラゴスのLagos Continental Hotelで、日本食と日本文化を紹介するイベント「Taste of Japan」が開催されました。主催は在ナイジェリア日本国大使館で、会場には約100人が来場。15種類を超える日本産飲料と10ブランド以上の酒類が紹介されたほか、本格的なサーモン寿司や天ぷらを含む日本食の試食も提供されました。

イベントは、鈴木秀生大使と来賓の皆様による灘の日本酒樽の鏡開きで華やかに開幕。飲み物の採点企画や盆踊りタイムなど、参加者を巻き込む催しも用意され、会場は終始アットホームな雰囲気に包まれました。中でも印象的だったのは、漫画コーナーなど多彩な企画がそろう中でも、やはり「食」が会場全体を大いに盛り上げていたことです。美味しいものを共に味わい、飲み交わすことが人と人とを結びつける力は、他のあらゆる文化交流の大切な基盤になりうるのかもしれません。

Rendacon

2026年3月24日(火)~25日(水) 開催

2026年3月24日(火)~25日(水)、ラゴスでフランス大使館の協賛によるイベントが開催されました。確かに日本のアニメの展開も多い国で、アフリカのアニメーションスタジオが国際競争力を向上していくにはどうすべきか、などのテーマが議論されました。

JAEBC Youth勉強会でも少し話したことに近いのですが、アフリカのアニメーションスタジオの成長戦略についてのセッションが展開されました。

Virtual Panelでは、エジプト・ケニアなどとオンラインで繋いでビデオミーティングを実施し、アフリカ全域でのコラボレーション可能性を探りました。

政府によるスポンサーシップの重要性、アフリカンアメリカンの成功事例の共有など、多角的な視点が交換されました。

とても時間にシビアに運営されていて、プロフェッショナルな進行が印象的でした。

アフリカの外の人たちも、アフリカンアニメの存在に気づきつつあります。

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